前を向くと青空が広がっていた

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それは農作業中の事。


その日は、初めての管理機を使った作業でした^^


管理機とは、エンジンに色々な役割のアタッチメントが付いて、畑を耕したり土寄せをしたり畝立てしたりと農家になくてはならない機械です。

こんなやつです。管理機。



タイプも色々ありますが今回は培土器という羽のような物を付けた一輪車タイプのものでした。

とりあえず師匠はスイスイ運転しているので「まぁなんとかなるでしょ!!」と不安を脳みその隅に追いやってスタートラインにスタンバイ!

いざスタートラインに立ってみると・・・



「なんか、道狭い・・・」



いや分かってはいたけど、機械の大きさとキャベツとキャベツの間の通路の幅を間近で比べると、隅に追いやった不安が「はい!残念でしたー!」とばかりに戻ってきます(笑)

ふらふらと微妙な蛇行運転を繰り返し、またその蛇行運転に抗うために体にめちゃくちゃ力が入り反動で更にふらふら・・・。その様子を見た人がいればきっと新しい阿波踊りの練習だと思ったことでしょう。



せめてキャベツをボロボロにしてしまうのだけは避けたい・・・。

うわ!危ない!左に寄り過ぎた・・・!あと5センチでキャベツがぐしゃぐしゃに・・・!・・・右だ!右過ぎない右だ!うわ!右に寄り過ぎた!あと3センチでキャベツがぐしゃぐしゃに・・・!・・・左だ!左過ぎない左だ!うわ!右に寄り過ぎた!あと1センチでキャベツがぐし・・・・・・・・。


そんな感じで右往左往しながらも、なんでだろうと考える。思い返しても師匠にはほとんど力を入れたような様子はなかったし、むしろなんだか普通に歩いているくらいの雰囲気だった。


よし、普通に歩いてみる。


めっちゃヨタヨタするぅ〜!!

どうやらそこではないらしい・・・。


しかしその時、ふと思い出した事があった。


以前トラクターに乗っている時に、やはり真っ直ぐが定まらない私に師匠が「遠くの一点を見てそこに向かう」という事を教えてくれた事だった。


それを思い出した事でなんとな〜く自分の目線に意識が行って、自分の姿を客観的に見てみる。

目線が、今まさに目の前でキャベツにぶつかりそうになっている管理機にあったのだ!


キャベツにぶつかりそうになったり、あるいはぶつかることが予測されると、それに対して力ずくでなんとかしようとして空回りしていたのでした。


ちょっと怖かったけど、手元を見ないで前を向いて見てみた。


不思議なくらい手元も軌道も安定する!


それでも時々やっぱり手元に意識が行ってしまって右往左往してしまう事もありますが、また思い出しては目の前を向くと安定して来るのです^^

お天気だったこともあり、目の前の気持ち良い天気と相まってものすごい腑に落ちたような気分になりました・・・。


考えたらそういう事って結構あるんですよね。

目先の事だけに一生懸命になって空回りしてしまい、本筋から外れていってしまうという私の得意技です(笑)

例えば子供に何かをやらせようとか、逆に何かを止めさせようなんて右往左往して、叱れどもおだてども一向に進まずイライラと・・・。

交感神経だけが爆上がり。

頭はオーバーヒートしてきて


うおおぉぉぉぉぃぃぃいいい!!!


となる時にふっと

「あれ?もともと何の為だったっけ?」と手元から先の方へ目線を移す事で

「子供の為にと思ってやったる事なのにむしろ悪影響じゃね?これじゃあ本末転倒じゃん・・・」と気づく事・・・本当によく経験します・・・。


仕事のこと

家庭のこと

趣味のこと


他にも色々似たような事、経験してます(笑)


これから農を生業として生きていく中で、きっと、手元に意識が行きがちになって右往左往迷うことがたくさん出てくるだろうと思います。

そんな時は自分にとっての本筋である、自分が農業を始めたきっかけでもある

「癒やしの農業」

を思い出して頑張っていこうと思います。

その時はきっと、あの管理機を掛けながら見た時の様な、気持ちの良い青空がちゃんと広がっていると思うのです。


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この記事を書いた人

障害者就労支援施設支援員を退職し、千葉県白井市えびちゃん農園で修行後、2022年に新規就農。男の子2人のパパ。

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