今日はトラクターに乗りましたよ!^^
畑でうなった事はあったけど公道を走ったのは初めて。畑で運転したときも緊張したけど公道に出るとなると更に緊張!まぁ20m程の小ドライブですが(笑)
それでも時速3キロくらいでゆっくり怖々と走る私には短い距離といえども結構時間かかります。後ろキョロキョロ横をキョロキョロとトラクターなかったら完全に挙動不審者。
だって怖いんだもん・・・(笑)
でもこのトラクターを運転していて怖いという感覚。
これはとても大事な事だという事が分かりました。
トラクター等、機械類を触るときには師匠が色々な怖い話を教えてくれます。
それを聞く度に絶対怪我をしない、命を落とさないように気をつけようと思うのです。
全国で農作業中に亡くなる人は10年間で3450人にもなります。1年間で345人、つまりほぼ毎日1人ずつ亡くなっている計算です。
ちなみに10年間で10万人あたりの死亡者数、全産業の平均は1.4人となっていますが、建設業では6.1人となっています。建設業が危険だというのは一般的に知られていると思います。私自身建設業でアルバイトをした経験がありますが、結構危ないことしてたなぁと今でも思いますね。
そして農業はというと
15.6人
なのです。
これには農業の高齢化も深く関わってきます(負傷事故は若者の方が多いようです)。この農業の死亡者のうち65歳以上をピックアップすると平均20人くらいになります。高齢になればなるほど機械に頼らなくては農業を続けていくことが難しいと思いますがそんな矛盾も抱えているのですね。この農業の事故には、過重労働や古くなった器具を買い換える経済的余裕が無いなども関わってくる様です。
そして死亡事故の中で一番多いのが乗用トラクターによるものです。トラクターは横の傾斜に弱く、角度22度程で転倒してしまうのです。もちろんトラクターによって重心等も違いますので一概には言えませんが、横からの傾斜に弱い事には変わりありません。田んぼに入る時など傾斜に対して垂直に入れば大丈夫な所を、斜めに入って転倒という事もよくある様です。
トラクターにはブレーキが2つあり、左右輪で独立しています。道を走るときはこの左右のブレーキを連結させて移動するのですが、連結をし忘れて片方を踏んでしまうと片輪だけが急旋回してしまうのでそのまま転落という事故もありますし、普通の車のように居眠りをしてしまい大事故になるケースもあります。
もちろんトラクターだけではありません。死亡事故に限らず負傷事故も含めれば
草刈り機
軽トラック
コンバイン
耕転機
チェーンソー
etc…etc…
この様に農業には多くの危険が潜んでいます。
しかし当然
「農業は危ないからやめとこう」
で終わらせたい訳ではありません。
こんなに素晴らしい癒やしの産業が色々な理由で廃れていってしまうのがもったいないと思うのです。
今回私も農作業の事故について遅ればせながら調べていると、こういった農作業の事故は傾向があるようなのです。事故の事例を見ていくと分かるのが、事故で多いのはかなりの数がケアレスなんですね。
シートベルトをしていれば・・・
手袋を付けていれば・・・
エンジンを止めていれば・・・
一度止まっていれば・・・
安全帯を付けていれば・・・
注意書きを守っていれば・・・
・・・
農機具は危ないものが多いですがそれだけ注意事項もしっかりあります。ただ忙しかったり慣れてきたりして守らなくなってくるのかも知れません。
建設業なんかは会社の規模が大きかったりする分危険予測や安全対策が浸透していますが、農業は小規模なので「自分次第」という所が多いように思います。
逆に言えば
「しっかり安全対策をすれば危険度はグンと減る」
という事です。
畑にまっすぐ進入する
シートベルトをする
エンジンを一回切る
手袋をする
等、小さな事で大きな事が防げるのです。
自分も怪我をしたくないし、農業をやっている人や同じようにこれから農業をやろうとしている人にも怪我をして欲しくない。そしてそういう小さなミスで農業が危険という様にはなって欲しくない。
一人一人が安全をしっかり意識する事でもっと農業が豊かになっていくと思うのです。
とは言っても私も段々注意力や判断力が落ちてきていますし、やはり年齢によるものは中々難しいですよね。それに「つい」というのは人間誰しもあるものですし、気を付けていてもケガをしてしまうこともあります。
なので最近は「環境的要因」の改善で事故を防ごうとする動きもある様です。
畦道や農道を広くとったり、傾斜を緩くしたり。そうすることで耕作面積は少し減ってしまいますがとても大事な事ですよね。
実は私も農作業中に大怪我をしたことがあります。ちょっとグロい話ですが大事な事なのでちゃんと描きます。
京都のお茶農家さんでアルバイトをしていた事があるのですが、ある時止まっているトラックの横を通り抜けようとしたんですね。道が狭かったのですり抜けるような感じで、更に少し道がU字型になっていました。
通り抜けようとしたその時足がトラックの内側に滑ってしまい、トラックのタイヤハウスに足を引っかけてしまったんです。痛みからすぐに「あ、完全に切れたな」と思いました。でも見てみるとスボンは破けてなかったので作業を再開しようとしました。でもやっぱり何となく異変を感じズボンを脱いで足を見てみたのです。
10センチくらい皮がばっくり開いていました。中の筋肉が綺麗に見えていました。
そのまま病院に直行。縫ってもらったのですが麻酔が効いてても痛かったです。
前日の雨で滑りやすかったのもありましたし、色々な要因が重なった事故でした。なのでどれか一つの要因が無くなれば起きない事故でもあったのです。
そしてこの話にはもう一つ大事な事があります。
私はあまり服も持っていなかったので、その農家さんの、もう亡くなられたお父様の服を貸していただいていたのです。その借りていたズボンの生地がとても丈夫で、タイヤハウスの鋭利な角にも切れる事なく私の筋肉を守ってくれたのです。簡単に破ける物だったら筋肉まで切れていたでしょう。なんだか守っていただいた様な気がしたものです。
借りたどのズボンもしっかりした生地でした。きっとそういう大切さを知っておられたのではないかと思います。
師匠が畑で言っていました。
「こういう何も無い無駄なスペースが大事なんだよ~。この方が気持ちいいでしょ~。」
こんな精神的なゆとりが事故を減らすのかも知れませんね。
最後に、トラクターに張ってあった、超怖い注意画像で終わります。
皆様に大きな怪我がありませんように・・・
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